ランニングは、健康的なライフスタイルにおすすめのアクティビティです。ランナーは自分のペースを設定し、それに合わせたトレーニングプランを立てて走ることができます。この運動は、身体的な健康だけでなくそれ以上の影響を与えてくれます。定期的にランニングをすることで、気持ちが元気になったり、自信がついたり、不安が収まるというメリットがよく聞かれます。
※本記事では海外のアシックスランニングコーチの指導内容をご紹介しており、日本でのアシックスランニングコーチの指導内容と異なる箇所がございます。
ランニングを始める理由は?
ランニングは、不安や憂鬱に対処するテクニックにもなるでしょう。ランニングのような適度な有酸素運動は、多くの場合成人の血流を増加させ、ポジティブな感情を高めることが証明されています。
ランニングを定期的に行うことで、体にさまざまな影響を与えることが期待できます。減量や体重維持といったダイエットにも効果がありますし、また、さまざまな健康リスクの軽減も期待できます。
注: 減量や心臓病予防のためには、食生活の改善も欠かせません。家族に心血管疾患、循環器疾患、呼吸器疾患がある方は、高強度の活動に伴うリスクの可能性について医師に相談してから始めてください。
ランニングを始めると考えるとなんだか少し大変そうと感じる方もいるかもしれませんが、さまざまな種類のランニングを知ることで、自分のライフスタイルに適したものを見つけることができるでしょう。
ランニングにはどのような種類がありますか?
まずは外に出る前に、ランニングの種類を知っておくことはとても重要で、自分のニーズに適したスタイルを見つけることが不可欠です。
- ロードランニング
アスファルトなどで整地された道を走るランニング。ほぼ障害物がなく、ランニングを始めるには適したスタイル。スピードを維持することに集中できます。 - トレッドミルランニング
ランニング用のマシン(トレッドミル)の上を走るランニングです。走るのは、必ずしも屋外である必要はありません。マシンを使ってランニングを始めるのは、道路を走る前にフォームを調整したりスタミナをつけたりしておきたいランナーにもメリットがあります。トレッドミルはサイズも価格もさまざまなものがあるので、予算に合わせて購入し、スポーツジムだけでなく自宅でも走ることができます。 - トラックランニング
トラックとは陸上競技場の走路のこと。一般開放されている陸上競技場などで走るランニングです。ランニングを始めたばかりの人には、路面の状態や長さが適切なトラックはおすすめのランニングコースです。長さが決まっているので、走り初めの頃は無理のないペースで走ることから始めると良いでしょう。またトラックの表面に、足や膝のけがをするリスクを軽減するようにやわらかい素材が使用されている場所もあります。 - トレイルランニング
トレイル(未舗装の道路)を走るランニング。自然のままの道をさまざまな地形や美しい景色の中を走りながら、難しいランニングに挑戦することができます。 - 競技ランニング
タイムを競う、あるいは完走を目指す大会に出て走ること。大会に参加することで、仲間意識を高めたり、より大きなチャレンジをしたりすることができます。大会では通常、5kmレースからフルマラソンまでさまざまな距離があります。
初心者のための10のランニングアドバイス
初めたばかりの頃のランニングは、効果や成果をなかなか感じづらく、ストレスを感じやすいものですが、ポジティブな考え方をキープすることが大切です。
距離や時間のことは気にせず、走っている最中や走った後にいい気分になることに集中しましょう。
ランニングをこれから始める人へちょっとしたアドバイスを10個のポイントにまとめました。参考にしてみてください。
1.ランニングを始める前に医師の確認をもらう
持病のある方がランニングを始める場合は、始める前に医師に相談することが大切です。そうすることで、症状の悪化や将来的なけがの予防につながります。
ランニング初心者が自分の能力を越えた走り方をしているのを、非常に多く見かけます。ペースを落とせば、より楽しく体への負担も少なくなるでしょう。
2. 適切なウエア、ランニングギアを身に着ける
適切な用具、ウエア、ランニングシューズなどを身につけることは、運動にプラスの影響を与えます。シューズのクッション性やサポート性が適切であるかどうかで、大きな違いが生まれます。また、シューズだけでなく、身に付けるギアも重要です。
初心者ランナーにおすすめなのは、アームバンド (携帯電話を入れて走るのに適している) やポケット付きのウエアで、これがあれば鍵などの大事な小物を入れることができます。
歩行分析は、ランニングを始めたばかりの人にとっても有益です。自分に合ったランニングシューズを選ぶ際の参考になります。
3. 自分の目標に合ったランニングプランを立てる
初心者の方は、自分のニーズや目標に合わせてランニングプランを立てることが必要です。走行距離とスピードを同時に上げることは避けるべきです。無理はしないで、週に10% 以上増やすのはやめましょう。
5kmのレースに出場する、10ポンド(約4.5キログラム)の減量をするなど、目標はさまざまでしょう。目標は達成可能なものにしましょう。
4. ランニングフォームと姿勢の改善に取り組む
初心者の方には、まず正しいフォームを身につけることをおすすめします。正しいフォームとは、胴体をまっすぐに保ち、肩の力を抜いて、腕を前後に振ることです。正しいフォームで走れば、ランニングセッションを長く続けることができるでしょう。
5. ウオームアップとクールダウンのエクササイズを定期的に行う
ランニングのたびに、適切なウオーミングアップとクールダウンを行うことを強くおすすめします。
ウオーミングアップは、体を目覚めさせ、血流を速め、循環系を働かせる準備をします。これにより筋肉への血液供給が増え、筋肉の弾力性が高まります。トレーニングの種類によって、ウオーミングアップの長さやダイナミクスは異なります。また、筋肉や靭帯の損傷を防ぐことができるでしょう。
ランニングの前は適度なペースで数分間のウオーミングアップを行い、同様にだんだんと弱いものにしていきます。ウオームアップの後とウォーキングの最後は、ふくらはぎ、太もも、股関節の屈筋、ハムストリングスを集中的にストレッチしましょう。
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6. 十分な水分補給、栄養価の高い食品をとる
ランニングにおいて水分補給は必須です。運動前、運動中、運動後に適度の水を飲むことで、脱水症状を防ぐことができます。
運動をすると、体は体温を下げるために汗をかきます。汗をかくと同時に体は熱を放出します。
初心者の方は、強力なパフォーマンスを維持するために、水で水分を補給してください。20分ごとにコップ半分程度の水を飲むことを目標にしましょう。
また健康的な食事は、心と体にとって多くのエネルギー源になります。ランニングの30分前に炭水化物を含んだ軽食を食べておくと、ランニングの燃料になります。
7. 少しずつ距離を伸ばしていく
自分のランニングテクニックに慣れてきたら、徐々に距離を伸ばしていきましょう。ウオームアップをすることで、持久力をつけ、けがを防ぐことができます。
ランニングを始めたばかりの人にありがちなのが、スタートから飛ばし過ぎることです。早歩きから始め、短い距離をゆっくり走ることを徐々に採り入れて、トレーニングに慣れていきます。疲れたら歩いてください。
初心者はどのくらい走ればいいか
ランニングの長さや頻度は、初心者それぞれによっても異なりますが30分程度のセッションが標準的です。また、持久力を高めるために、ランニング、ジョギング、ウォーキングを交互に行うとよいでしょう。
8. 日常生活に筋肉トレーニングを加える
筋肉が強くなればなるほど、長時間のランニングも楽にこなせるようになります。筋肉トレーニングは、ランニングのスピードを上げるためにも効果的です。
9. ランニングのモチベーションを上げる方法を見つける
ランニングを始めたばかりの人は、やる気を失ってしまうことがよくあります。初心者の方は、音楽やポッドキャスト、オーディオブックなどを聞きながら続けていくのも一つの方法です。また、友達と一緒に走ったり、景色のいい場所を選んで美しい眺めを楽しみながら走ったりするのもいいでしょう。
10. ランニングの上達度を把握する
ランニングの上達度を把握することは、さらにランニングを上達させたい場合や、レースに出場する予定があるときにも役立ちます。ASICS RunKeeper™ アプリが、その役割を果たします。
長距離レースのための適切な準備とトレーニング方法については、「ハーフマラソンのトレーニングプラン」と「マラソンのトレーニングプラン」を参考にしてください。
初心者が避けるべきランニングの失敗
初心者ランナーは注意しないと、誤って心身の健康を危険にさらしてしまう場合があります。初心者向けのランニングガイドに従って以下のような失敗を避けることで、けがを防ぎ、全体的なパフォーマンスを向上させることができるでしょう。
- ランニングシューズ以外のシューズを履くこと
使用用途が異なるシューズを履いて走ると、足底筋膜炎などのトラブルの原因になります。これは、足を適切にサポートせずランニングすることから起こるものです。 - 休息日をとらないこと
休息と回復を怠ると、筋肉がオーバーワークとなり、こりの原因になる可能性があります。 - ランニングのスピードが早すぎたり、距離が長過ぎたりすること
ランニングしすぎると、極度の疲労を起こす恐れがあります。 - 誤った呼吸
ランニング中に呼吸が乱れると、運動中に筋肉が必要とする酸素や血流が減少し、痙攣を引き起こす原因にもなります。 - けがを無視すること
けがをしている状態で走ると、患部の状態が悪化し、回復が難しくなります。 - 期待値を高くしすぎること
ランナーのスタートはさまざまです。大きな期待をしたり、経験豊富なランナーと比較したりすると、かえって滅入ってしまい、気持ちが途切れてしまうことがよくあります。