ランニングを始めたきっかけが「ダイエットのため」という人は多く、そこから走る楽しさに目覚め、大会にたくさん出てはタイム更新を目指すようになった人もいます。

いっぽうで、痩せたいけれど運動が苦手な人や、走り始めてみたものの長続きしない人もいるでしょう。息が切れて辛い、長い距離が走れない、脚が痛くなってしまうなどの理由で走ることを諦めたことありませんか?どうすれば三日坊主にならずにランニングを楽しみ、理想の身体に近づけることができるのでしょう? 今回もランニングコーチの池田美穂さんにランニングを長続きさせるコツを聞いてきました。

<目次>

■教えてくれた人

池田美穂さん

アシックスランニングクラブコーチ。東京マラソン・ニューヨークシティマラソンといった市民マラソンから、大阪国際女子マラソンなど国際レースに出場。アシックス直営店や全国各地で、市民ランナーへのランニング指導を行っている。

池田美穂さん

そもそもランニングにダイエット効果はある?

そもそもランニングって本当に痩せるの?ランニングによるダイエット効果は、どの程度の影響力があるのでしょうか。

――率直な質問ですが、ランニングって、私たちの体にどのような影響を与えるのでしょうか?

ランニングはスポーツのなかでも全身運動です。脚だけでなく、体をひねる動きや腕振りなど、全身を動かす必要があります。そのためか、ランニングを始めたことでぐっすり眠れるようになったとか、お肌の調子が良くなったといった声をランニングイベントの参加者の方から耳にすることもあります。そういったことからもランニングは、健康はもちろんのこと、美容にも良い影響があるのではないかと思います。

――体にたっぷり溜めこんだ脂肪も、なんとかできるでしょうか…。

ランニングは、筋肉を動かすエネルギーとして血糖や脂肪が酸素と一緒に使われることから「有酸素運動」と言われています。有酸素運動は、脂肪を燃料とするので、体脂肪の減少が期待できると言われています。また、ランニングを続けることで筋肉量が増え、基礎代謝も上がり、燃焼効率が高くなるため、より理想の身体づくりに向いているんです。

ただし、体脂肪は急激に減るものではありません!コツコツ継続することで、自然とダイエットに繋がるでしょう。

運動が苦手な人でも無理なく続けられるランニングのコツ

池田美穂さん

継続が大切とは言っても、走るのが遅い、長く走ることができない、仕事が忙しくてあまり走れない、飲み会の誘いは断れない…など、「コツコツ」が苦手な人もいるはず。ランニングをラクに楽しく長続きさせるためには、どのくらい走るべきなのでしょうか。

――日頃から身体を動かしていない人にとって、急にランニングをするのは辛いと思うのですが、まずはどんなことからはじめたら良いのでしょうか。

みなさんはじめから頑張りすぎてしまって、続かない人が多いんです。最初から一生懸命に走る必要はありません。誰でも、最初はあまり走れないものです。でも、コツコツ続けていれば、誰でも必ず伸びるのが、ランニングというスポーツの良いところです。徐々に慣れていくことで、変化を実感できると思います。

スピード:早歩きより少し速いくらいから始めよう

ペースはゆっくりでOK。1kmあたり、7~8分程度かけて走るのが目安ですが、これはおしゃべりできるくらいの速さです。早歩きよりも少し速い、ジョギングから始めましょう。息が切れるほどのスピードではスムーズに呼吸をすることが難しくなり、有酸素運動になりません。ゆっくりペースの方が脂肪燃焼する有酸素運動になります。

時間:走り続けなくてもOK。だんだん走る時間を増やそう

「何分くらい走れば良いですか?」とよく聞かれますが、時間を決めて無理に走り続ける必要はありません。それよりも、たとえば、走ったり歩いたりの30分を試してみてください。走り続けて10分でつらくなって止めてしまうよりも、5分歩いて、5分走るという順で3回繰り返せば30分動くことになります。そのセットで走る時間を少しずつ伸ばし、歩く時間を少なくすることで30分続けて走れるようになるでしょう。

頻度:週1回でもOK。継続は力なり

週2~3回走れるならば身体は変化しやすいですが、週1回からでも、続けることが大切です。とにかく継続すること。三日坊主にならないペースで続けましょう。

タイミング:痩せたいなら朝がおすすめ。でも自分の生活スタイルに合わせよう

朝起きて食事をとる前に走ると、糖質が少ない状態で走るので体に蓄えてある脂肪がより使われやすくなります。それだけでなく、体温が高くなり、代謝も高まり、1日の脂肪が燃焼しやすくなります。しかし、朝は身体が起きたばかりで動きにくく軽快に走れないかもしれません。そんな時は速く走れなくてもOK。また、脱水やエネルギー不足に注意しましょう。水分を摂り、バナナなどのフルーツを軽く食べてから走るのも良いでしょう。朝が苦手な人は、仕事終わりの夜に走りましょう。1日身体を動かした後なので、朝よりも動きやすく快適に走れるのが特徴です。それぞれの生活スタイルで、自分に合ったタイミングで走る習慣をつけましょう。

ダイエットのためのランニングは継続が大切。モチベーション維持のコツ

池田美穂さん

――走る時間はあるものの、なんとなく億劫で走らなくなってしまうことが多いんです。モチベーション維持はどのようにすれば良いでしょうか。

個人的には「体組成計で数値をチェック」「ランニングイベントに参加する」「ランニングアプリを活用する」をおすすめしています。いろいろな工夫をしてランニングを楽しみましょう。

おすすめ(1)体組成計を使って、いろんな数値をチェックしてみる

私は体組成計で頻繁に計測するのが好きなんです。ちょっとした変化に嬉しくなるんですよ。ダイエットは体重が全てではありません。体組成計があれば、体重以外のいろいろな変化に気付くことができます。一つの指標ではすぐに効果が出ない時に心が折れそうになってしまうので、筋肉量や体脂肪率、身体年齢など、どんな項目でも良いので、何か良い変化が現れればきっと前向きになれるはずです。

おすすめ(2)ランニングイベントに参加する

ランニングイベントに参加してみるのもおすすめですよ。イベントでは、ランニングコーチが走るスピードをコントロールしてくれるので、流れに身をまかせているうちにちょうど良い速さが身に付きます。初心者向けや女性のみ、早朝ランなどイベントの種類もさまざまです。参加者同士の交流で、ランニング仲間ができることもあるんですよ。ランニングフォームはもちろんのこと、準備運動やストレッチも教わることができ、怪我なく楽しく走ることができる近道です。

「ASICS RUN TOKYO MARUNOUCHI」のイベント情報はこちら

おすすめ(3)ランニングアプリを活用する

走った記録を管理するなら、今は便利なランニングアプリがあります。ダイエット目標を登録しておけば、目標達成までの道筋が明確になるでしょう。体重も記録してグラフ化されていくことで、変化を可視化してモチベーション維持に繋げてみましょう!

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TEXT:Emma Nakajima
PHOTO:Madoka Akiyama