最近のランニングのお悩みはなんですか?走り始めたばかりの頃は、次第に走る距離が伸び、仲間もできて、大会にも出て楽しさもピーク!練習すればするほど走れる喜びを感じることでしょう。ですが、ある時から記録が伸びなくなり、スランプ状態に……ということはよくあるもの。
そんなランナーのお悩み解決に役立つのがASICS RUNNING LAB(アシックスランニングラボ)。トップアスリート向けの本格的な測定を一般ランナーも受けられます。私にはレベルが高すぎるのでは…?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。むしろビギナー~中級者くらいの方こそ、本格的に走り始める前に受けておくとご自身の走力がわかり、無理のない練習計画が立てられますし、オーバートレーニングで脚を痛めてしまった…なんてトラブルを予防することもできます。
初心者から上級者まで、ランナーであればレベルは問わないこの測定サービス。いったいどんなことができるのか、フルマラソンでのタイム更新を狙う一般ランナーと一緒に体験してきました!
<目次>
- アスリートの能力測定を一般ランナーにも
- 日頃の練習内容は?目標は?ランナーの悩みをヒアリング
- 脚の筋力測定は、医療機関でも導入されている方法で
- 体の骨格的な特徴も、しっかり数値化
- ずっと抱えてきたランのお悩み、原因はまさかの……。
- 正しいランニングフォームで効率よく走ろう
- 測定結果から、レベルアップのための練習計画を立てる
- やるべきことが見えれば、モチベーションもアップ
アスリートの能力測定を一般ランナーにも
トップアスリート向けの「ランニング能力測定」を一般のランナーも受けられるのが、(以下、アシックスランニングラボ)。アシックスのスポーツ工学に関する知見と技術を活かし、ランナーの特徴を科学的にとらえ、パフォーマンス向上の指針を提案するというもの。
いつも走っていて「私はこのぐらいのペースが限界かな」と思っていることが、実際に測定したデータで見ると「もしかして、もう少し頑張れるかも?」と気づける可能性があるのが、アシックスランニングラボの測定なんです。
ご自身の感覚と、測定結果に気づけば、走力はもっと伸びるはず。
アシックスランニングラボで受けられる測定プラン
ASICS RUNNING LAB(アシックスランニングラボ)についてはこちら
日頃の練習内容は?目標は?ランナーの悩みをヒアリング
まずは「コンサルティング」と呼ばれる測定内容の説明を受け、日頃の練習内容や悩み、目標などの質問に答えていきます。
【今回の体験者】大沢千織さん
トライアスロン経験があり、久しぶりに海外のフルマラソンへの再チャレンジに興味あり。
【測定担当】神野大喜さん(アシックス東京銀座 アシックスランニングラボ担当)
学生時代は、スポーツトレーナーになるための勉強をしていたそうで、ただ計測するだけでなく、体について詳しい説明やアドバイスも的確でわかりやすい。
脚の筋力から体形の特徴まで、体のさまざまなデータを測定
体組成計で全身の体脂肪率、筋肉量などを測ったあとに案内されたのは、ランニングで重要な脚の筋力測定をするための大きな椅子型のマシン。医療機関でも使われている本格的な機械なのだそう。
上半身を固定して足の力だけでバーを曲げ伸ばすことで、脚の筋力を計測します。膝を伸ばす力と曲げる力(腿の前と後ろ)は、ランニング時の重心の落ち込みを抑え、推進力を生み出す重要な筋力。この筋力の動的な状態を測定できる。全力で3往復を2セット。
次は体格的な特徴の測定です。大沢さんは股関節の外旋が硬めで課題あり。特に左が硬めで、内股になりやすい症状なのだそう。その他にもふくらはぎの張り出し、脚の長さはやや左右差があり、神野さん曰く脚の長さそのものではなく股関節など足のつなぎ目部分の問題かもしれない、との指摘あり。「自覚はありますね」と大沢さん。これがどうランニングフォームに影響しているかは後ほど・・・・・・。
ずっと抱えてきたランのお悩み、原因はまさかの……。
次は足形の測定。ここで衝撃の事実が発覚。
「左が24.15cm、右が23.89cmです。ランニングシューズの場合はプラス1cmほどが良いといわれているのでだいたい25cm、大きくても25.5cmくらいまでが良いですね」
実は大沢さんが履いているシューズのサイズは24.0cm。なんとそもそも足の大きさが24cm以上あったのです。マラソン中盤からの足の痺れってもしかして・・・・・・?
「大沢さんは足の幅が平均よりも細めなので、少し小さいサイズでも履けてしまっているのだと思いますが、縦の長さや甲の高さを考えると25cmの足幅狭めのナローと呼ばれるタイプがおすすめです」
どうやら足が痺れるのはシューズが小さすぎた可能性が……。なんとなく試着して、なんとなく買ったシューズで走っていた大沢さん。それって意外とランナーあるあるかも?シューズのサイズはプラス1cmほどが良いといわれているのを知ることができたのも大事な発見です。
ちなみに、足形の測定だけであれば、無料でアシックスの店舗(一部の店舗に限る)で測定可能(くわしくはこちら)。
日頃の「自分はこうだ」という思い込みが強すぎて間違っていることが多いのだと痛感。測定中、神野さんがランナーのお悩みを当てていく様子は爽快。「へぇ~!」「なるほど!」「そうだったのか!」が止まらない計測でした。
次は、いよいよランニングフォームの測定へ。
正しいランニングフォームで効率よく走ろう
ランニングマシンを囲む複数の小型カメラと、呼吸量を測るためのマスクを使って、全身の持久力とランニングフォームを同時に測定します。
専用マスクを着けたまま走り始め、徐々にスピードを上げながら約20分間走ります。
普段の練習ペースをベースにスピードが設定されて、どんどん上がっていき、みるみるうちに1km4分台まで到達。真剣なまなざしで粘る大沢さん。すごい!持久力測定は、AT値(※)を測っているため、可能な範囲までがんばりたいところ。
※AT値:“無酸素性作業閾値”(Anaerobic Threshold)の略称で、有酸素から無酸素にシフトしていくボーダーラインのこと。
もう限界!というところで計測終了。ランニングフォームの映像をモニターで一緒に見ながらチェックしていきます。
足の接地位置が体の中心により過ぎていたことが、疲れの原因に
「大沢さんのフォームを見ると、足が接地する位置が体の中心により過ぎているのがわかります。
この走り方だと、長距離を走っていると、脚の外側が張る感じがあったり、疲れが気になりませんか? もし気になるのあれば、今よりもご自身の足幅ひとつ分ほど間隔を開けて接地することを意識すると良いと思います」と神野さん。この他にもランニングフォームに関するさまざまなアドバイスを受けました。
測定結果から、レベルアップのための練習計画を立てる
AT値を用いた全身持久力測定のフィードバックはホワイトボードで解説してくれました。
大沢さんの結果は、予測としてフルマラソンを3時間44分ほど(1kmあたり平均5分13秒)で走りきる心肺機能は持っていることがわかりました。なんと既にサブ4できる可能性は十分なのです!
「人の心肺能力を車のエンジンに例えると、車もエンジンだけでは走れるわけではありません。長い距離を走るには、心肺機能を鍛えつつ脚も作っていかなければならないのがマラソンです」と神野さん。
やるべきことが見えれば、モチベーションもアップ
すべての計測を終えて、大沢さんに感想を聞いてみました。
「走っていて気になることはたくさんあったのですが、誰に聞けばいいのかもわからなかったので、いろいろ調べてもらってアドバイスまでもらえるのは便利ですよね。効率的な練習方法を出してもらえたのはすごく良かったですね。あと、シューズが小さかったのが一番驚きました(笑)データで見ると、説得力ありますね……。
足が痛いのもあって、今年はフルマラソンを走るかどうか迷っていたのですが、出たくなりました。こうやって具体的に課題や対策が見えると、コツコツ練習をがんばりたくなりますね」
なお、店舗での測定から約10日後、登録したメールアドレスに結果シートと特典の電子ブックが届くので、後日しっかり測定結果を振返りながら練習計画を立てることができます。
本格的な計測内容のため、受けるまでは上級者向きのサービスかと思いきや、ビギナーや中級者にもアシックスランニングラボはおすすめしたいと神野さんは話します。
「利用されるお客さまの多くは、大沢さんのようなサブ4~サブ3.5あたりまでを目指している方が多いですね。走るのが楽しくなってマラソンなどでタイムを目指すようになったものの、PB(パーソナルベスト)更新にはあと一歩伸び悩んでいるというパターンです。走り込んで怪我がちという方もいます。目標を達成したいと願う人の能力向上をサポートすることが目的ですが、健康にランニングを続けてほしいという想いも強くあるので、怪我をしないために自分を知ることは、走力関係なく重要だと思います」
フル測定がおすすめなのはもちろんですが、お試しで受けるなら、フォーム測定のみもOK。きっといろいろな発見があり、さらにランニングがワクワク楽しいものになるはず。まずはその一歩を踏み出してみませんか。
Photo:Tetsuya Fujimaki
Text:Emma Nakajima